大阪府の公立高校入試が、2028年度(令和10年度)から変わることをご存じでしょうか。
「公立高校を第2志望まで選べるようになるの?」
「学校特色枠って何?」
「内申点や英検の扱いも変わる?」

初めて高校受験を迎えるご家庭はもちろん、上の子の受験を経験した保護者にとっても、気になる制度変更だと思います。
わが家も、長男と次男の大阪府公立高校受験を経験していますが、
まだ末っ子がいるので新しい仕組みがとても気になっています。
今回は、大阪府教育委員会が公表している公式資料をもとに、
2028年度からの変更点を、保護者の目線で整理してみました。
※この記事は2026年10月時点の公表情報をもとにしています。今後、実施要項などで詳細が追加・変更される可能性があるため、受験時には必ず大阪府の公式発表をご確認ください。
2028年度から大阪府公立高校入試の何が変わる?
まずは、主な変更点をまとめます。
| 2028年度からの主な変更点 | |
| 入試時期 | 原則として3月上旬に実施 |
| 学校特色枠 | 各高校が求める生徒像に応じた選抜を導入 |
| 第2志望校 | 公立の第2志望校へ出願する機会を新設 |
| 自己申告書 | 全員提出の自己申告書を廃止 |
| 調査書 | 「活動・行動の記録」を廃止 |
| 入試問題 | 国語・数学・英語のA・B・C問題に共通問題を組み込む |
| 英語資格 | 英検などの外部検定の読替え率を変更 |
特に知っておきたいのが、「学校特色枠」と「第2志望校」の仕組みです。
順番に見ていきます。
① 公立高校入試は原則3月上旬に一本化
これまでの大阪府公立高校入試では、主に2月の特別選抜と3月の一般選抜がありました。
2028年度からは、原則として3月上旬に試験を実施する仕組みになります。
入試にかかる期間を短縮し、高校入学までの準備期間を確保することなどが目的とされています。
ただし、すべての選抜が3月になるわけではありません。
海外から帰国した生徒を対象とする選抜など、一部は引き続き2月に実施されます。
② 新しく始まる「学校特色枠」とは?
今回の制度変更で、特に知っておきたいのが学校特色枠です。
学校特色枠とは、各高校が「特に求める具体的な生徒像」を示し、それに合った生徒を優先的に選抜する仕組みです。
例えば、学校や学科の特色に応じて、面接やプレゼンテーションなど、
独自の試験を実施する場合があります。
学校特色枠の人数は、原則として募集人員の50%以下で、高校・学科ごとに設定されます。
合格者は2つの手順で決まる
一般選抜の全日制(エンパワメントスクール・ステップスクールを除く)では、
合格者を次の2つの手順で決定します。
第1手順:学校特色枠
学校特色枠に応募した生徒の中から、各高校が定めた選抜方法に基づいて合格者を決めます。
第2手順:総合点による選抜
第1手順で合格しなかった生徒と、学校特色枠に応募していない生徒を対象に、
学力検査などの成績と調査書の評定を組み合わせた総合点で合格者を決めます。
ここで大切なのは、学校特色枠への応募は希望制ということ。
全員が応募する必要はありません。
また、学校特色枠で合格できなかった場合でも、第2手順の選抜対象になります。
学校特色枠だけを受験することはできず、一般選抜の志願者は全員、学力検査を受けます。
どのような生徒を求めているか、どんな試験を行うかは高校・学科によって異なります。
気になる高校があれば、学校ごとの選抜資料も確認しておきたいですね。
③ 公立高校を第2志望まで選べるようになる?
もう一つの大きな変更が、公立高校の第2志望校への出願機会です。
2028年度からは、一般選抜の全日制で、
第1志望校に加えて第2志望校にも出願できる機会が設けられます。
ただし、ここは誤解しないようにしたいところ。
第2志望校を書けば、どちらかの高校に必ず合格できるという意味ではありません。
第2志望校での選抜が行われるのは、その高校を第1志望として出願した人数が募集人員に満たない場合です。
つまり、第1志望者だけで募集人員を満たす高校では、第2志望者が合格できる枠は生じません。
また、第2志望校のために、新たな学力検査を受ける必要はありません。
第1志望校で受験した国語・数学・英語の共通問題の成績と、調査書の評定を使って選抜されます。
なお、第2志望校の出願締切は、第1志望校の締切より後に設定されます。
同じ高校内での「第2志望学科」と、別の高校を選ぶ「第2志望校」は異なる仕組みなので、
こちらも確認しておきたいですね。
④ 自己申告書は廃止される?
2028年度からは、これまで全員が提出していた自己申告書が廃止されます。
↑我が家次男、こちらでかなり苦戦しました。
その時は塾の先生も相談し、ずいぶんお世話になったことを覚えています。
そんな経験があるので、自己申告書が廃止されるという変更も、
個人的には気になるところです。
また、調査書に記載されていた「活動・行動の記録」も廃止され、
各教科の評定が記載される仕組みになります。
ただし、文章を書く資料がすべてなくなるわけではありません。
学校特色枠では、各高校が独自の選抜資料を設定する場合があります。
また、エンパワメントスクールや定時制・通信制の課程、二次選抜などでは、
新たにエントリーシートを提出する仕組みがあります。
「自己申告書がなくなるから、書類の準備は何もいらない」ということではありません。
志望する高校の選抜方法を確認する必要があります。
⑤ A・B・C問題や内申点はどう変わる?
大阪府の公立高校入試では、国語・数学・英語について、
高校ごとにA・B・C問題が選択されています。
2028年度からも、この3種類の区分は残ります。
ただし、それぞれに共通問題が組み込まれます。
| 問題 | 新しい構成 |
| A問題 | 基礎的問題+共通問題 |
| B問題 | 標準的問題+共通問題 |
| C問題 | 発展的問題+共通問題 |
この共通問題は、第2志望校の選抜でも使われます。
内申点も引き続き使われる
2028年度からも、調査書の評定、いわゆる内申点は選抜に使われます。
大阪府の公式資料では、次の配点が示されています。
| 学年 | 配点 |
| 中学1年 | 90点 |
| 中学2年 | 90点 |
| 中学3年 | 270点 |
| 合計 | 450点 |
中学1年・2年は、9教科×5段階×2倍。
中学3年は、9教科×5段階×6倍で計算されます。
ただし、合否は内申点だけで決まるわけではありません。
学力検査の成績と調査書の評定に、高校ごとに選択された倍率をかけて、総合点を算出します。
そのため、志望校がどのような比率を採用しているかも確認したいところです。
⑥ 英検2級などの英語資格はどう変わる?
大阪府の公立高校入試では、英検などの外部検定の結果を活用する制度があります。
2028年度からは、この読替え率も変更されます。
特に注意したいのは、英検2級の読替え率が80%から70%に下がることです。
| 英検の級 | 2027年度まで | 2028年度から |
| 2級 | 80% | 70% |
| 準1級・1級 | 100% | 90% |
英語の学力検査は90点満点なので、読替え後の点数は次のようになります。
| 英検の級 | 2027年度まで | 2028年度から |
| 2級 | 72点 | 63点 |
| 準1級・1級 | 90点 | 81点 |
例えば、2028年度入試で英検2級を活用する場合は、所定の条件のもとで63点が保障されます。
当日の英語の学力検査で63点を超える点数を取れば、当日の点数が採用される仕組みです。
英検2級を持っていれば英語の試験が免除される、という意味ではありません。
また、公式資料には80%の読替え区分もありますが、これはTOEFL iBTやIELTSの特定のスコアに対応するもので、英検には該当する級がありません。
2027年度と2028年度では保障される点数が異なるため、受験する年度に合わせて確認しておきたいですね。
⑦ 文理学科を目指す場合も新制度の確認が必要
大阪府の文理学科を目指しているご家庭にとっても、今回の制度変更は大切な情報です。
特に確認したいのは、志望校の学校特色枠です。
学校特色枠は、高校や学科ごとに人数や選抜方法が異なります。
「文理学科だからどこも同じ」と考えるのではなく、それぞれの高校がどのような生徒を求めているかを確認する必要があります。
大阪府文理学科10校の特色や通学、これまでの倍率については、別の記事で比較しています。

※比較記事に掲載している倍率は、それぞれの掲載年度の情報です。
2028年度の新制度での倍率を示したものではありません。
⑧ 2人の高校受験を経験した母として思うこと
わが家は、長男と次男の大阪府公立高校受験を経験しました。
長男は、早い段階から志望校がはっきりと決まっていました。
一方、次男は、希望する高校に挑戦するのか、それとも少し余裕を持って選ぶのかで悩みました。
模試の結果や内申点、倍率も確認しながら、学校や塾の先生と相談して受験校を考えました。
だからこそ、今回の「第2志望校への出願機会」という変更は、親として気になるところです。
ただ、第2志望校を選べるようになったからといって、高校選びが簡単になるとは限りません。
第1志望校をどうするか。
学校特色枠に応募するか。
第2志望校にはどこを選ぶか。
これまでとは違う迷いが出てくることもあると思います。
そして、私がもう一つ大切だと感じるのは、偏差値や倍率だけでは分からない、高校それぞれの特色です。
以前、塾で「偏差値が高い高校ほど、必ずしも倍率も高いわけではない」という話を聞いたことがありました。
海外との交流や大学への進学実績など、学校によって魅力はさまざまです。
もちろん、それが倍率にどの程度影響しているのかは分かりません。
でも、学校を選ぶときに何を大切にするかは、家庭によっても子どもによっても違うと思います。
新制度では、各高校が求める生徒像も、これまで以上に確認したい情報になりそうです。
私は、選択肢が増えること自体は前向きに受け止めています。
でも、選択肢が増えるからこそ、周りの評価だけではなく、
本人がどんな高校生活を送りたいかを大切にしてほしい。
そんなふうに感じています。
もちろん、わが家の子どもたちは新制度で受験したわけではありません。
ここで書いたのは、これまでの高校受験を経験した親としての考えです。
まとめ|2028年度の大阪府高校入試は、学校選びの考え方も大切に
2028年度から、大阪府の公立高校入試では、入試時期の変更や学校特色枠の導入、第2志望校への出願機会など、大きな変更があります。
特に知っておきたいのは、次のことです。
- 第2志望校を書いても、必ず合格できるわけではない
- 学校特色枠は希望制で、選抜方法は高校ごとに異なる
- A・B・C問題は残り、共通問題が組み込まれる
- 内申点も引き続き選抜に使われる
- 英検2級の読替え率は80%から70%に変更される
制度が変わると、親としても分からないことが増えると思います。
でも、まずは何が変わるのかを知り、気になる高校の情報を一つずつ確認していくことが大切なのかなと思います。
そして、制度が変わっても、わが家が大切にしたいのは同じこと。
子ども自身が納得して、進みたい高校を選べること。
これから2028年度の大阪府公立高校入試を迎えるご家庭にとって、この記事が情報整理の参考になればうれしいです。
参考資料
大阪府教育委員会「令和10年度以降の公立高等学校入学者選抜制度について」

大阪府「公立高等学校入学者選抜改善について」

※2026年10月26日時点で確認できる大阪府の公表資料をもとに作成しています。

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